~ 託される命 ~

今年二月にアメリカの人気モデル、ケイティさんが脳梗塞の為亡くなった。


死因はその一週間~数日前にカイロプラクティックの頸椎アジャストメントを受けたからだという。


しかし実際彼女が首に問題を抱えたのは、


撮影中に高所から転落し首を酷く痛めたのが理由であり、


そしてその怪我がカイロプラクティックケアを受ける理由になった。



事件当時は雑誌やテレビで特集が組まれ、カイロプラクティックの安全性が議論されていた。



実際、カイロプラクティックと脳梗塞や動脈剥離の関係性はあるのか?



それを調べる機会があったので、ここに記そうと思う。






まずDr. マッコイの文献「脳梗塞、解離とカイロプラクティック」から



「症例対照研究の結論として、


非常に稀ながら、椎骨脳底動脈に関連する事故は在る。


しかし、脳梗塞とカイロプラクティックアジャストメント、又は頸部へのマニュピレーションとの関連性を示す実験も無ければ、それを証明する根拠も存在しない。


動脈の裂傷や脊椎脳底動脈に関する事故のような臨床上の問題については気を付ける必要がある。


我々の経験から言えば、カイロプラクターの施術が脳梗塞の原因とされるのは、脳梗塞を発症するタイミング(或いはすでに発症している最中)とカイロプラクティックケアを受けるタイミングが偶然重なった一次性のものであった事も申し上げておきたい。


また、学校や卒後教育で繰り返し習う禁忌や


神経系、心肺系、肌、筋骨格系、胃腸系、外傷、結合組織の問題などにも留意する必要があるだろう。


首の痛み、頭痛、眩暈など、多くのペイシェントが貴方の下に訪れるだろうが、


彼らの訴えは、時として血管系の問題が進行しているのを示す二次的なものであるかもしれない。


そういうことも踏まえて、立ち止まり、良く観て、良く聴いて、十分すぎる位の注意が必要である。」


と述べている。





また、脳神経外科の医師達が、統計的再分析とメタ分析という方法を用いてカイロプラクティックと頸椎動脈剥離との関連性についてリサーチした


Systematic Review and Meta-analysis of Chiropractic Care and Cervical Artery Dissection: No Evidence for Causation


という文献も興味深かった。


他の職業からの客観性あるリサーチは時に貴重なものだ。



統計的再分析:文献の徹底調査と出版側の先入観(固定観念)の疑いのあるデータの偏りを取り除き、分析する。

メタ分析:独立した複数の研究データを統合的に再解析する手法。



彼らは合計253の文献を調査し、メタ分析とGRADEシステムでカイロプラクターによる頸部への施術と頸椎動脈剥離の関連性を調査し、


カイロプラクティックと頸椎動脈剥離の関連性は限りなく低いものであるという結果を出した。


さらに、


「カイロプラクティックマニュピレーションと頸椎動脈剝離の関連性に関する文献のクオリティはとても低いものであった。


我々の分析では、微々たる因果関係しか示していない。これはリサーチする側の高いバイアス(先入観)リスク、公絡的な研究の可能性、そして頸部痛と頸椎動脈剥離または頸部痛とカイロプラクティックマニュピレーションの既知の関係性による混同などによって説明付けられるだろう。


カイロプラクティックマニュピレーションと頸椎動脈剥離の因果関係をサポートし、納得し得るような根拠は存在しない。


恐らくは多くの発症とその起訴などからマイナスな結果を齎したのではないかと考えられる。」



と結論付けている。





Dr. トム ジェラルディともこの件について話をした。


カイロプラクターとして、


第一に全てのクライアントに対して安全なカイロプラクティックケアを提供するよう努めること。


クライアントに脳梗塞などの兆候が認められた場合はすぐに施術をせず、三~四日程様子を観てから判断すること。



などのアドバイスを頂いた。





カイロプラクターの仕事に診断は含まれない。



しかし生命に触れる職業として、


クライアントが出す生命危機のサインには気付かなければならないと思う。




様々な問題を抱え、カイロプラクターの下を訪れるクライアント。



彼らから身体(命)を託される立場にあるカイロプラクター。



施術云々の前に、クライアントの安全を第一に考え・守るという職業道徳は必要不可欠だ。





故ケイティさんのご冥福を心よりお祈りします。















参照:


Stroke, Dissection & Chiropractic



Systematic Review and Meta-analysis of Chiropractic Care and Cervical Artery Dissection















"If you are careless about little things then you were more likely be careless about more important things."

「もし貴方が些細な事に疎かであれば、それは貴方がより重要な事に対して注意を払えないということでしょう。」

 Lyle W. Sherman D.C., Ph.C.












~ 来年は勝負の年 ~

昨日で無事今学期が終わり、いよいよ冬休みに突入。


来年は自分にとって大きな勝負事が控えている。



一つはナショナルボード(国家試験)受験


もう一つはインターン試験



ナショナルボードは今のところ基礎科学、臨床科学、カイロテクニック&各種検査・診断、ケースマネジメント&レントゲンの四つのパートに分かれている。


自分が受けるのは第一関門の「基礎科学(パートI)」。 


今まで習った一般解剖学、脊柱解剖学、生物化学、生理学、病理学、微生物学の知識がここでテストされる。


この試験に向けて冬休みは勉強する事に決めた


日本への帰国も無しだ(涙)




インターン試験は、シャーマンヘルスセンターで実際にプラクティスする資格を得る為の試験。


それに受かれば晴れてインターンと成る。


インターンとなったら、まず同級生にカイロケアを提供する。


その次の学期はシャーマン学生のケア。


そのまた次の学期にようやく一般のクライアントへChiropracTICを提供出来る。



この一年を振り返ってみても、月日が過ぎるのはあっという間。



インターンに成る日もまぁあっという間だろう。




・・・そう願っている(笑)








話しは変わり、今日はTICブラザーであるスコットの卒業式だった。













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シャーマン卒としてDoctor of ChiropracTICの卒業証書を受け取るスコット













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御家族も卒業式の為に遠方より駆け付けて来られた












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帰る途中で、Dr. ハートに遭遇












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やっぱこうなる!爆












スコットを観ていて、やっぱ家族の応援や支えがあるから卒業出来るんだよな~としみじみ想う。





自分の卒業式


両親がアメリカまで行ってやる!と言ってくれている。





父と母の支えに報いるべく、


卒業式まで俺も突っ走ろう。





本当に卒業おめでとうスコットD.C.!!!
















"Each one of us has a fire in our heart for something. It’s our goal in life to find it and to keep it lit."


「誰もの心に、何かに向かって燃える火があります。それを見つけ、燃やし続けることが、私たちの人生の目的なのです。」

メアリー・ルー・レットン(米国の元体操選手、ロス五輪金メダリスト)













~ 価値 ~

昨日はマスタートムのパターン分析の講義を予定していたが、残念ながら中止。


それでも自分にとっては、上部頸椎理論のクラスでプレゼンをしたエキサイティングな一日だった。


グループ同士でアッパーサービカルカイロプラクティックリサーチを選び、プレゼンする。


自分のグループが選んだのは、

「健康全般の変化とアッパーサービカルカイロプラクティックケア」


リサーチは9つの州、計153名の新規クライアントに限定。


SF-36とGWBS (Global Well - Being Scale)を使ったスケール調査と


実際にレントゲンを施術の前後に撮影し、脊柱の状態変化を分析。


SF-36とは、36の質問で対象者が自分の健康状態を評価するもの。

身体機能、日常生活に於ける身体機能、痛み、全体的健康感、活力、社会生活機能、日常に於ける精神状態、心の健全性などから成り立つ。


GWBSとは、0を最低(最悪)とし、10を最高(最良)の状態として対象者に自己評価してもらうもの。


用いられたテクニックは、NUCCA、AO、オーソスパイノロジー。


オフィスの訪問は全体平均7.75回。





このリサーチで印象的だったのはクライアントの訴えが解消された!とかよりも



彼らの身体的、精神的、社会的な満足度などが総じて(99%)ポジティブに変化していったこと。




リサーチで、


なんちゃら病が治ったとか、~の症状が治癒したというのは


カイロプラクティックの目的と何ら関係の無いこと



何故なら、


治療により特定の症状や病気が治癒する、しないという問題は医療の関心事であって


脊椎サブラクセーションとクライアントの人生の質がカイロプラクティックの関心事であるからだ。



我々カイロプラクターはイネイトがどんな疾患やケガであれ、その治癒に向けて最大限の努力を24時間365日行ってくれていることを理解している。



そして症状が出まくりな時に、サブラクセーション状態ではない


逆にすこぶる快調な日にサブってる(サブラクセーション状態である)なんてことも普通にある。



つまり脊椎サブラクセーションを取り除く事と症状や病気を治療する事は



職業目的、サービスの提供から考えても必ず矛盾する。





脊椎サブラクセーションを必要な時に取り除くこと


これだけで今回のリサーチが示すように人生は豊かになる。


カイロプラクティックを受けたことで得る恩恵は、クライアント自身が価値を付ければ良い。



何故なら、脊椎サブラクセーションがクリアとなったイネイトの可能性は誰にも解らないからだ。



カイロプラクティックの恩恵に制限を掛けないということは、どんな側面からでも価値を見出す事が出来るということだ。


今回のリサーチでも、活力や社会生活、心の健全性などの部分でもクライアントがカイロプラクティックを評価している。


カイロプラクターがあらかじめカイロプラクティックで効果が期待出来る症状や病気を並べ立てるのは、クライアントに先入観や固定観念を与え


その結果、観付けられたかもしれない自分の可能性に気付けないかもしれない。



カイロプラクティックを受ける価値は、クライアント自身が観付ければ良いんだ。





こんな感じで、リサーチの発表に加えてカイロプラクティックの独自性やカイロプラクターの使命について熱く語らせてもらった(笑)




これからもストレートカイロプラクティックの炎


灯して行くぜ!!!












"Chiropractic is a name I originated to designate the science and art of adjusting vertebrae. It does not relate to the study of etilogy, or any branch of medicine. Chiropractic includes the science and art of adjusting vertebrae - the know how and the doing."

「カイロプラクティックとは、私が脊椎調整に於ける科学と芸術を指して付けた名称である。それは病因学、或いは他の如何なる医学分野とも関連しない。カイロプラクティックは、専門的知識や業といった脊椎調整に於ける科学と芸術を有する。」

  Daniel David Palmer(カイロプラクティック創始者)」













~ パターン分析 ~

今学期はパターン分析のクラスを取っている。


パターン分析とは、Dr. B.J. Palmer や Lyle Shermanにより研究・確立されたカイロプラクティック独自の検査方法。


クライアント一人一人が持つ固有の脊椎サブラクセーション状態を様々な分析方法によって確立し、何時アジャストメントが必要で何時必要でないのかを判断する上で重要な役割を果たす。



クライアントに不必要なタイミングで施術をしない


クライアントの安全を守る


ノーサブラクセーション時にイネイトの働きに不要な手出しをしない


症状の有無に惑わされない



などの意味でも、自分にとっては習得必須のクラス。





クラスで自分が他の学生のパターンを分析、確立するプロジェクトがあり


ここ二週間彼をチェックさせてもらっている。



検査環境


検査時間帯(朝、昼、夕)


食事やカフェインなどの摂取・消化時間


マッスル、スタティック、モーションパルペーション


下肢長検査


サーモグラフィースキャン


アジャストメントの有無


などなど



そしてサーモグラフから示されるグラフラインにも


ストレートライン、パターンライン、ヒートリーディング、ストレスリーディング、適応ライン、パターン減少ラインなど様々なグラフラインがある。




そう


脊椎サブラクセーションパターンとそうでない時の見極めが兎に角難しい。


他の検査項目ではパターンかなと思う要素があっても


グラフラインでは所謂パターンラインとは言えない時もあり


本当に奥深い分析方法だと改めて感じた。



カイロプラクティックアジャストメントは何時でも出来る訳じゃない。


サブラクセーションの無い時(施術の無い時)こそが、カイロプラクティックを利用するクライアントにとって最高の結果。




その意味をこのクラスで学んでいる。



来週の金曜日に


全学生・講師が参加可能な形で、マスタートムに特別レクチャーをお願いした。


快く了承してくださり、今からとてもワクワクしている。




ChiropracTIC



ホントに深い!!!














“Chiropractic is specific or it’s nothing”

By B.J.Palmer D.C. Ph.C.

























プロフィール

ISOBE HIROFUMI

Author:ISOBE HIROFUMI
米国のストレートカイロプラクティック大学、シャーマンカレッジへ留学中。

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